介護支援専門員のコラム
『ちょっと素敵な出会い』
2020.2
過日、樹木希林展へ出かけました。演技に対する樹木さんなりの解釈や感性、人としての独自の生き方に見習うものが多々あると以前より注目しておりました。
会場で、受賞記念のトロフィーをランプにリメイクして玄関に置くなど、豊かな発想で実用的な暮らしを垣間見ることができました。
介護福祉士を目指す若者へ、『不自由になった分だけ文句がでるの。自分もなるであろう老人を学ぶにはもってこいの仕事ね。してあげるんじゃなく自分でやれるようにしむける。待つ時間が足りないか・・・。明治天皇の歌「器には従いながら いわがねも 通すは水の 力なりけり」。水はどんな器にも添うのに、雨だれのポツンポツンで岩や鉄にも穴をあける、この柔らかさがあれば』と、美文字で書かれた手紙も拝見しました。
『今の私があるのは妻のおかげ。好き勝手放題やってきた私に、将来を見据えて厳しくも数々のアドバイスをくれた』と、語って下さったのは先月お亡くなりになったせりかわ内科クリニックの芹川直行院長先生です。
院長のご生前にあるご家族から、『たくさんの患者がいるのに私の愚痴話を嫌な顔一つせずずっと聞いてくれた。母が歩けなくなったら往診するよ、と言ってくれて安心した。』と伺ったことがあります。医療サービスに対して常に真摯であり続けた証がこの一言に尽きると思います。院長先生はこのように地域で暮らす患者様お一人お一人に丁寧に寄り添って医療サービス・介護保険サービスの同時利用へ導いて下さいました。小さな町の偉大な英雄・芹川院長に感謝を捧げます。
人は変えようとすれば変わるもの・・・。樹木さんと院長先生お二人からのメッセージは素敵な出会いになりました。